SI接頭語(小さな数)d・c・m・μ・n・p・f・a・z・y の意味
単位の前につけて数の小ささを表す記号をSI接頭語(接頭辞)という。ここでは1倍より小さい数を表す10種類を、大きい方から小さい方へ順にまとめた。医療(薬の量)や電子部品、ナノテクノロジーなど、微小な世界を扱う分野で欠かせない知識である。
① 1倍より小さい数を表すSI接頭語
| 記号 | 読み方 | 倍率 | 10のべき乗 | 主な使用例 |
|---|---|---|---|---|
| d | デシ | 10分の1 | 10⁻¹ | dL(デシリットル=体積) |
| c | センチ | 100分の1 | 10⁻² | cm、cL |
| m | ミリ | 1000分の1 | 10⁻³ | mm、mL、mg、ms(ミリ秒) |
| μ | マイクロ | 100万分の1 | 10⁻⁶ | μm(細菌の大きさ)、μA |
| n | ナノ | 10億分の1 | 10⁻⁹ | nm(ナノメートル=原子・分子のスケール) |
| p | ピコ | 1兆分の1 | 10⁻¹² | pF(ピコファラド=電子部品のコンデンサ) |
| f | フェムト | 1000兆分の1 | 10⁻¹⁵ | フェムト秒レーザー(化学反応の瞬間を観測) |
| a | アト | 100京分の1 | 10⁻¹⁸ | 原子核物理学などの研究分野で登場 |
| z | ゼプト | 10垓分の1 | 10⁻²¹ | 用いられる場面はごく少ない |
| y | ヨクト | 1𥝱分の1 | 10⁻²⁴ | SI接頭語のうち最も小さい部類(素粒子の質量オーダーなど) |
※ 2022年には、y(ヨクト)よりもさらに小さいr(ロント)=10⁻²⁷・q(クエクト)=10⁻³⁰が新たに追加された。極小の世界を扱う科学技術の発展に対応するためである。
② 日本語の数詞との対応
日本語にも、小さな数を表すための独自の数詞(分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵…)がある。SI接頭語の一部は、これらの数詞とぴったり同じ倍率を指している。
| SI接頭語 | 倍率 | 対応する数詞 |
|---|---|---|
| d | 10⁻¹ | 分 |
| c | 10⁻² | 厘 |
| m | 10⁻³ | 毛 |
| μ | 10⁻⁶ | 微 |
| n | 10⁻⁹ | 塵 |
| p | 10⁻¹² | 漠 |
| f | 10⁻¹⁵ | 須臾 |
| a | 10⁻¹⁸ | 刹那 |
| z | 10⁻²¹ | 清浄 |
| y | 10⁻²⁴ | 涅槃寂静 |
興味深いことに、こちらは日本語の数詞のほうが1桁ずつ細かく刻まれているため、SI接頭語の10種すべてに、ぴったり対応する数詞が存在する。特に「刹那(せつな)」は仏教語としても知られ、「一瞬」という意味で日常会話にも使われる言葉である。
→ 単位のいろいろな種類を詳しく: 物理の単位(N・Pa・J・Ωほか)

